冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


煙草の匂いに包まれ、

気分を切り替えたはずなのに、
チラとよぎる、実織の姿。



怒るだろうか…





でも、やらなくてはならない。

俺がやらなくてはならない。




親父と約束した。




そのために、

俺は16のあの日、すべてを捨てた。