「俺…違う、か?」

「違いますよ、全然。雰囲気がやわらかいです。
…でも、どこか上の空…ですね」


静音にはホント敵わないな。


きっと、
静音が実織を尋ねたのも、

静音の計算、だろう。


だが

「…新たな敵、出現ってとこか」

苦笑を浮かべ、
さっきの達花準の事を思い出す。



「ライバル出現、ですか?」

静音は驚きつつも、どこか身を乗り出すような、
そんな感じだった。


ライバル…

実織の兄となると、
ある意味、そうかもしれない。


「…でも、そうなると俺は燃えるタチでね」



もう離さないと、

そう、決めた。


実織を離したくないと、
そう思ったからーー…