「…実織、その男は誰だ?」 いつにも増して、 低く、威圧感のあるジュン兄の声…。 「え、えっと……、ほら、 前に私が体調崩したときにお世話になった真影さんだよ、うん」 「はじめまして。真影と申します。 実織さんとお付き合いさせていただいております」 ひぇーー! な、なんて… ズバッと率直な! う、嬉しいけど… でも、 「実織、と?……つき合ってるだと?」 ピキーン、と 凍ったジュン兄の声と、 ピク、と 眉が不快そうに歪んだのを、 私は見逃さなかった……