冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


叫びとともに、止まっていた思考が、突然フル回転!


挨拶!?

挨拶って、なんて!?



私がグルグルと回る頭で考えているうちに、
気づくと紘夜は車を下りて、

家の玄関に向かっていた。


「ちょっ、ちょっと!紘夜!」


私も慌てて車をおりて、後を追う。



と、その時、
車庫にあるバイクが目に入った。


その黒い中型バイクを見て、私は一気に青ざめた。




ひぇーー!

ジュン兄がいるー!!