冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


「…じゃあ、私…嫌われてない?
紘夜…私の事、イヤになってない?」


「言ったろ、離さないって。忘れんな」

「だって…」



不安だったんだもん。

どうしたらいいか、わからなかった…



それぐらい、

紘夜に嫌われたくなくて、
紘夜が好きで…



でも、どうしたらいいかわからなくて、


どうしたらいいのかわからないほど、


人を好きになるのは、初めてだった。