冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


「…私の事、まだ17だって言った…」


「あぁ……勘違いすんな。それは子供扱いして言ったんじゃない。
……反省したんだよ」


え?
反省…?


「お前の事考えずに先走った。嫌われんじゃないかって焦ったのは、俺の方だ」


ったく、ガラじゃねぇ、
と、紘夜は車の灰皿で煙草を揉み消した。


そんな紘夜は、どこか照れているように見えた。




「実織に嫌われたかって焦ったのは、こっちだ」


紘夜が、
もう一度、言葉にした。