冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


「どうし、よう…ヒック、
紘夜…私の事、キライにならないで~」


しゃくりあげる息と、絞り出すような声で、
喉が苦しくて、痛い。



でも、伝えたいことがある。

話したいことが、ある。



「何なんだお前は…。怒ったり、黙ったり、泣いたり…。
だいたい、なに言ってんだよ。
なんで俺が嫌うって?」


「だって、紘夜…何も話してくれないし。私の事…ヒック、全然見てくれないんだもん…ック」


「何言ってんだよ。お前の方こそ俺を見ようとしてなかったろーが」



「だっ…て、どうしたらいいかわからなかったんだもん…。
紘夜、急に…あんなことするし……。
私の事子供扱いするし…」


「あ?子供扱い?」