「とにかく車に乗れ。そんなに服が濡れたまま歩いて帰ったら、風邪引く」 確かに、 制服は、体は、冷たくなっていて、秋の風に私は震えた。 「ほら、」 グイっと、 紘夜は私の返事を待たずに、私の体を車の助手席に乗せた。 ドサッと座ると、 私は固まったように動けなくなった。 うつむいたまま、動けない。 隣の運転席に座った紘夜を、見ることが出来ない。 紘夜はエンジンをかけるとエアコンを付け、車の中を温めた。