と、色々考えているうちに、冷たい雨と風で手はかじかみ、怖さと緊張で、
もう、柵を乗り越える体力さえ残っていなかった。


でも、

でも、

ここで挫けるワケにはいかない!


ズドンって川に浮かぶのも、
愛人もイヤ!!


あの男に捕まるのにくらべたら、こんなのなんて事ないー…


ガクッ

「ひゃっ…」



雨で足元が滑り、体勢が崩れた。

血の気が引き、

グラリ、と目眩がした。



もうダメ!!