「ひっ!」 叫び声をあげていた男が、紘夜の視界から逃れようとする。 「待て!」 男を追おうとする紘夜の体に、 私はしがみついた。 「やめて!もう、やめて!」 「離せ実織!ヤツを逃がすわけにはいかない。ヤツを始末しないとっーー」 「もう、傷ついて欲しくない!」 「俺はもう失敗しない。傷なんかつかない!」 「傷つくよ!もう、ボロボロでしょう? 紘夜の心が!」 ビクッ、 と、紘夜の体が小さく震えた。