「実織様も、紘夜様と同じなのですね」


「え、」


私と紘夜が、


同じ?



「お二人とも、共に過ごしていた時の方が、いい表情をしておりました」


そう言って、
静音さんは持っていた紅い傘を私に持たせてくれると、

あの日の様に深々と頭を下げ、


黒い車に乗って、

行ってしまった。