冷たい雨に咲く紅い花【前篇】



「……さぁ、どうでしょう…?」


寂しげに、静音さんは答える。


「さぁ…って、どういうこと?」

「…紘夜様は、実織様がいなくなられてからというもの、仕事といっては、出掛けられる事が多く、
ほとんど帰ってはきません」


仕事、って、まさかーー…








よみがえる。



紘夜をまとう硝煙と

血の匂い。