「どうしたの?実織、まだ体調よくない?」 「…ううん、違う。大丈夫だよ」 「なんか、あった?」 うん、 あった。あったよ。 いろんな事が……。 「どこか、お金持ちの家でお世話になってたんでしょ?」 「そこで、イヤな事でもあった?」 私は、無言で首を左右に振った。 怖い事、 驚いた事はたくさんあったけど、 今はもうイヤな事じゃない。 それは確かだった。