冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


バンッ!


気付いた時には、部屋を飛び出し、外に出ていた。


「実織 !!」


後ろで、ジュン兄の声が聞こえたけど、
構わず、走った。


もと来た道を、走り続けた。


走って、

走って、


呼吸が苦しくなるまで、走って。





足が、

止まった。