「お前、体調崩して、あの真影家に世話になったんだって?
今度礼に行かないとな」


私の顔を見たジュン兄が、
私の頭をくしゃくしゃと撫でた。


〝真影〟の言葉に驚き、私はジュン兄を見上げた。


「ジュン兄、知ってるの!? 真影家のこと!」

「ん?この辺りじゃ有名な金持ちだろ。真影財閥っていったら」


あぁ……
〝表〟の方、かーー…



「…怒らないの?ジュン兄?」

「怒る?なんで?」

「だって、一週間も帰ってこなかったし…。
電話でジュン兄、心配してたから…」

「あー、そりゃ心配はしてたさ。でも、毎日連絡もらってたしな。
真影家の人から」


ーーえっ!?