冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


「…じゃあ……じゃあ手放さないでよ」


私の言葉に、

紘夜の体がわずかに反応した。




でも、



ドンッー


軽く、
突き飛ばす様に、

外へ繋がる扉の方に、



紘夜は私を突き放した。