「威力の高い44を使うとは、よっぽど俺に恨みがあるヤツ、か」
例えるなら、
44はクマを倒せる最低限の威力を持つ弾薬としてデザインされたらしい。
こんな宴の場でも、
構わず消音機〝サイレイサー〟もつけずに
44威力を扱うヤツら…
そして、
スタームルガー・ブラックホークを好むヤツを
俺は一人、知っている。
だがきっと、
アイツならもっと確実に俺を狙撃する。
「今回は、アイツのグループに属する別のヤツか」
鈍い光を放つ黒の銃身に目線を落とし、グリップを握る力が更に強くなる。
手に馴染む、
マニューリン社製MR73。
嫌な記憶が、
よみがえる。