冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


「ああ。音からして、ライフルじゃないな。
リボルバーか。
スタームルガー・ブラック…いや、レッドの方か?」

「ブッ、ブラックでも、レッドでもどっちだっていい!!」



淡々と分析する紘夜に、

体も声も震えながら、
私は言った。


「大事なことだ。銃の種類が解れば相手が特定出来る」

「特定、って、そんなに敵多いの!?」

「ん?まぁな」


そんな、あっさり……



「俺は様子観てくる。お前はここで…」
「一人にしないでっ!!」


ガッ、
と、紘夜の黒いジャケットにしがみついた。