冷たい雨に咲く紅い花【前篇】



「どうやら、客の中に招待していないヤツが紛れ込んだか」


身を潜め、
裏庭の茂みに私を下ろすと、

紘夜は辺りを伺う。



なに?
何が起こっているの!?


私の頭はパニック状態。

さっきの痛い程の衝撃音が、
まだ耳に残っている。




さっきのって、

まさか、



「じゅ、銃声……?」


震える声が、零れた。