冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


なに?
なんなの!?


訳が分からず、私は紘夜にしがみついた。



わからない事ばかりで、

私の手は、
体は、

震えて、
上手く紘夜を掴めない。





「大丈夫だ、実織。俺がいる」



そう言って、
紘夜は私を



ぎゅっ、


と、力強く抱きしめてくれた。