冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

「…すごい……」

車から降りて、
私は自分の立場も忘れ、呆気にとられていた。


「ボケッとしてんな。
行くぞ実織」

紘夜はさっさと歩き出し、華やかな人達が向かう豪華な玄関とは別の方に、
向かった。



「あ、あれ?どこ行くの?玄関はあっちじゃ…」

「あっちは招待客や兄達用。俺は裏」


え?

「なにそれー…」

と、
紘夜を追いかけて、ついて行くと、


次の瞬間ーー