「おい、じゃあ、行くぞ」 「ちょっと待って!パーティーでも、〝おい〟とか〝お前〟って呼ぶんじゃないでしょうね!?」 私は白のふわふわショールを羽織りながら、紘夜をそう呼び止めると、 紘夜は振り返る。 「行こうか、実織」 そう言って、手を差し出した。 な、なによ… 調子狂うじゃない…… きっと、 今の私は、 恥ずかしいくらい 顔が赤いと思う。 紘夜は、ためらっている私の手を引き寄せると、 しっかりと握りしめた。 その時少しだけ、 紘夜が、微笑んだような 気がした。