「あっ、おい!」 「実織様!」 紘夜様と私の声にも振り返らず、 実織様は白いドレスについた緑の葉や、 色とりどりの花びらを舞い散らし、駆けてゆく。 花びらの彩りが、 花の匂いが、 舞い上がる。 くらりと、目眩がする程に。