冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

少し不思議に思いながらも、

「そうですね…白と桜色と淡い紫で綺麗ですので、
女郎花の黄色は入れない方がいいのでは?」

私がそう話すと、


「そっ、そうですね。じゃあ、これで完成!」

元の笑顔に戻り、
実織様はお屋敷へと歩き出した。



「み、実織様」

段々と早足になる実織様を止めようと、
私も後を追う。



今日はきっと、
紘夜様の機嫌はよろしくない。


なぜなら、
朝から一度も顔を見せては下さらないから……。