冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

どうも、私は実織様のどんな表情にも弱いのだと、
今更ながら気付いた…。


「でも、そのお花を摘んでどうするのですか?
実織様のお部屋に飾るのですか?」

「ううん、私のじゃなくて、紘夜の」

「えっ!」

紘夜様の?


「でも…」

紘夜様は、部屋に花を飾らない。




それに、紘夜様の部屋に立ち入ることは、許されていない。



誰もーー