煙草の男を見ると、

黒いスーツに、黒いコート、
黒い手袋に、
そして、黒い車……


まさか……
「あなた、…さっきの男達の仲間!?」

助手席で膝を抱え、おそるおそる、問いかける。

「まさか、ヤツラと一緒にすんなよ」

じゃあ…


《お前が殺ったのか!?》
《キミが通りかかったおかげで、オレはアイツらに見つからずにすんだ》


憶い出す、言葉の数々……


甘い煙草の匂いが、私を包む。


「……まさか、…あの、倒れていた人って……」



「ああ、オレが殺った」


さらりと、その男は言った。