蒼空の向うへ

「かなり戸惑ってるな。」


有志の言うとおり、Aチームの方は、突然攻撃法が変わったDに対してどうしていいか分からなくなっている様だった。



だが、そんなAに対してDチームからの攻撃が止むことはない。



ここぞとばかりに一気に攻め立てられている。



Aがコンビネーションだとしたら、Dはチームワクの良さだな。



間を広く取って、正確でスピードのあるパスを繰り出していく。


それに翻弄されてAはゾーンDFの形を崩してしまう。


AはDに流されたな。


笑ってしまうくらい、Dチームの流れだ。


始まって4分しか経っていないのに、既に逆転されている。


28:31



本当にあっという間だ。



「わ、あのビブス6番の子足早い!(フーマ)」


「それ言うならあの7番のパス上手くね?(座敷)」


「そうだな。でも、あの9番のドリブル技術は中々だな(セイ)。有志はどう思う?」


「中々シュート率高いなあの8番(レキ)」


各々が自分の意見を述べていく中、心だけが、一人ノート片手に試合を見ている。



バシュッ


丁度試合の中で、3ポイントが決まった。


「あれ、何かさっきもあの10番シュート決めてなかったか?」

「空君だぁー!」

「そう言えばそうかも?」


時間は残り1分。32:47だ