真璃亜から最初の手紙が 届いたのは 二月の始めだった。 上品で淡い色の便箋に、 草のつるのような 美しい文字が綴られていた。 便箋は銀座の鳩居堂や伊東屋で 売っているような 優美な絵柄が織り込まれていた。