『私情は挟んではいけないんだけど、故郷の隣町……そこに暫く居たからさ――』
<そうか……レイにはちゃんと行く事も言っておくんだぞ>

『分ってるよ! じゃあ、用意したら向うよ。ワクチンは打っていくからかまわないよ。最悪乗り込んだ時の為に、予備の手配も父さん言っておくから』
<わかった。くくっ、しかしお前、本当に仲介屋なのか情報屋なのか悩む位置だな……>

 電話の向こうで聞こえた音が、考え込んでロケットペンダントでも見ているだろうとベリルは想像できたので、少々からかう様にアザムに言った。

『むっ、ベリルと要請の仲介屋なの! けど確かに病院との仲介もするし、必要なら情報もかき集めるけどね。じゃあ、あっちでね』
<OKだ>

 アザムは、ベリルの了承を聞きくと電話を切った。


 
 小さく笑うとベリルの好みとは違うであろうカフェオレを飲みながら、ロケットペンダントに‘信じて欲しいと’レイがアザムに昔に隠した赤い石“ガーネット”をしまい首にかけた。

 そして、今回のベリルのミッションへの同行の身支度を始めることにした……――