アザムが手伝って約三年、レイが四十一歳アザムが二十二歳になったある日。


「アザム、今日は朝の診療だけでいいぞ」
「昼はメイリンさんが来てくれるんだっけ?」
「ああ、というよりそろそろだろ……次の要請の連絡入れるんだろ? アザム、ティーロがさ“もう少し先”が読めたら完璧なのにって言ってたが?」
 
 次の要請連絡との間隔が、自分の方がまだつかめている事にレイはため息をついている。
 それでも二年程で完璧な独り立ちが出来るのだろうと、内心寂しいレイであったが、父親としては嬉しい気持ちもあった。
 

「あ! そうだった……今度は中東でもかなり荒れている場所だしね」
「先に必要な事だけメールしておいた方がいいかもな? それに今回は――」

 レイが今はティーロを通して情報を知る事もある。
 とりあえず、先に送れる情報は送っておくほうが無難であるので、普通にレイは助言した。

「……何? メイリンさんが来るから俺邪魔なの?」
「そ、そういうわけじゃ――」
「まあ、メイリンさんは知っていて俺達と居るしさ、早くアタックしないとベリルにとられちゃうよーー!!」

 顔を赤くしながら怒っているレイを笑いながら院内の住居部分に逃げるように退散する。

「ったく、親の気持ちも知らないで――」