「ははは、これってとっても“収穫”なんだよ。きっと同士も喜んでくれるよ」
「どう、し……え? ど、どういう……事――」

 レイは最近世界各地で起こっていた事件がまず頭を過ぎった。そしてごく最近の事件も……
――各国そして、その後カナダとアメリカで学者や医療関係者が……

 しかしそれを言葉にすることは無かった。

 ザザは髪を掴んだ手を離した瞬間、もう片方の手でパンツの後ろポケットからスタンガンを取り出し、レイに押し当てた。

 叫び声すらあげる事は無く痛みと同時に倒れるように足から崩れ、意識が朦朧として体が動かない。

 そしてそんなレイを、ザザは手足を縛り上げる。

「ごめん、痛かったかな? そういえば昔もこんな事あったよね? あんときは殴り倒したけどね……はは、俺って意外と根に持つタイプかな? まあ、前は拳で動けなくしたけどね」


 笑いながら、冷たい視線を上から向ける。この家の中であらかじめ見つけたシーツでレイを覆い、ザザは一度外に出て車を家の前に横付けにし、後部座席にレイを押し込みすぐにその場から立ち去った。


 
 そして、暫くは痛みや気だるさで静かにしていたレイだったが、暫く走った後に車の中で縛られながらも暴れ、反論するように騒いだためザザは持っていた薬を無理やり経口投与させた……――