ベリルが指示を受けた場所をカーナビでもう少し、探ってみると林や森の中というわけでもなく、荒野とも言えない。
 ただ“普通”という言葉で片付けられそうな、周辺には離れた場所に点々と商店があったり、ガソリンスタンドがあったり、町よりも小さな集落的な場所である。


 今二人が向っているのはその集落の道から少し外れた場所に、外壁がありその少し奥に機械工場がある。それほど大きい感じでは無い。中規模という言葉が適切だろう。

 建物だと考えるのであれば目立つのかもしれないが、誰も気に留める事はなさそうな場所にある。





 概観も中の様子も廃工場というわけでもなく、昼は機械を動かしていますと言われればそう疑問も無くそう見える。
 ただ実際は最近は動かしているわけではないため、錆や埃っぽい雰囲気が少々する。

 
 いくつかの大小さまざまな部屋があるが、廊下と奥の部屋だけが薄暗い蛍光灯が点いている。

 明かりの点いている部屋はガラスの窓と扉があり、部屋の外には扉前と廊下を監視している数人の男が確認できる。


 電気が点いている部屋は機械もあり作業場のような場所になっており、透明な仕切りの奥に小さな明かりとノートパソコンが確認できた。
 元は小さな休憩所か喫煙室の様だ。

 

 そして、作業場の機械の前に寝転んでいる様に見える男と、見下ろして言葉をかけている男が居る。