概観で今流行のセルフサービスと思い込んでいたが、フルサービスのお店のようだ。接客もきちんとしているように見える。

「いらっしゃいませ」

 笑顔が素晴らしい案内係の女性、料理を運ぶ女性もベリルの姿に瞳を奪われているように見える。

「天気が良いのでテラスでも宜しいか?」

 満面の笑みを浮かべるベリルの姿にうっとりしながら、案内係の女性はカフェのテラスに案内する。


 アザムとティーロはその姿に後ろで苦笑いをお互いに見せている。



 着席すると、メニューを二人にベリルは渡しながら、

「お前等聞こえているからな……」とさっきの苦笑いに対して一言。

 ベリルはブラックボードに書いてあった一番お勧めのコーヒーを注文する。

 アザムはカフェオレでティーロはアイスコーヒー、そして二人はホットサンドも頼む。

 ベリルが味わうほどしか食事の必要性が無いことをアザムもティーロも知っていたため、食べ物はあえて勧めなかった。


 暫くして注文の品がテーブルに並ぶ。

 コーヒーが売りだと、表に書かれているだけあって味はとてもいい。

 三人はそれぞれにゆったりとした時間を過ごす。