「いや、別に反対ではないですが、男三人でというのも――」
「悩むよりかまわんよ」

 そう一言だけ言うと、カーナビに場所を検索させているベリル。

「何か私の反応で楽しんで決められたように――」
「気のせいだ」
 
 さらっと言い放つベリルに、多分“そうだ”というのが見え、ため息をついているティーロ。
 その姿を見て苦笑いを浮かべるアザム。

 ベリルが触る六年前より新しくなっている感じのカーナビが、気になったアザムはじっとカーナビを眺めている。
 
「どうかしたか?」
「あ、いや車は相変わらずなのに、カーナビだけが変わっているから――」
「ん? これも試作品の中では最新式」

 素直すぎる言葉に気にも留めず答えるベリル。

 ティーロの方が慌てているのに気が付いて、自分が言った言葉が感じが悪かったのでは? と気が付き謝るアザム。
 
「外観は本当の事だからな。勿論、車自体は私仕様に改造してある」

 カーナビが検索を終えると、ベリルは目的地に向って走り出す。
 
 アザムは何となくこの助手席が懐かしいと、開いた窓に腕を置き、風を感じながら外の景色を眺めていた。

 途中混んでは居たが一時間ほどで目的地には着いた。