数日後ティーロはレイの働く病院に寄る。

 既にベリルはティーロともレイが会うことを事前に話しておいたので、レドリーが時間と部屋を前回と同様に用意をしてくれた。
 
 

 あの事件から六年、そして前に会ってからは一年半。

 確かに白髪も増え歳は取ったとは思うが、以前よりがっしりしているためか、五十過ぎには到底見えない。


「時間を取らせてしまって申し訳ない。久しぶりですな、元気そうで何より」
「ティーロこそお変わり御座いませんか? 新人の教育だそうですね」
「あ、ああ。演習だけではなく情報などについてだとか、まあ、救護等いろいろとあるのでね……」

 六年前の事件後、ベリルは恩人だが、ティーロは一番の友となった。しかし相変わらず言葉使いは体育会系の様で、他人から見たら、友だとは歳の差もあり余計に見えない。

 現在も演習だけでなく、場合によっては後方部隊であったりもする。
 それに体が衰えても信頼があるティーロなら、誰かに知識を教える仕事はこの先も出来る。
 だからこそベリルは昔、この場所にティーロを戻した。


 そのティーロが少し答えに困った事に、レイは気が付かなかった。実はティーロも、今回のベリルが追っている事件の補助として来ているのだから……