「ベリルさんは、すぐに又発たれるのですか?」
「ん? ちょっとはゆっくりしようかと……な」
「それでしたら、是非アザムと一度会ってやって下さい! あの子もきっと喜びますから」

 レイは笑顔を見せる。それに答えるように話を続けるベリル。

「ティーロも数日後に新人教育のためにこっちに来ると言っていたから、時間が合えば一緒にアザムに会うように相談しておこう」
「ティーロもこっちに! 土日なら一日空いていると思いますから」
「あと少しでも一度、ここにも寄るように伝えておくよ」

 ベリルは、子どものような笑顔を見せたレイに、ティーロに自身も会いたいのだろうと察した。



 懐かしい話や、報告を兼ねての日常等、二時間ほど雑談も含め会話をした二人。



「では、私は昼の予約患者が居ますので、失礼させていただきます。アザムには帰ったら伝えておきます」
「うむ、そうしてやってくれ。私はレドリーともう少し話をしてから失礼させて貰うとするよ」

 そういってお互いが小さく微笑みを見せる。

「そうですか。では、又」

 そうしてレイは、深くお辞儀をして、レドリーにも一礼をしてから出て行く。

 ベリルはガラスの向こうの、レイの姿を見て笑って見送る。