お腹に響くバイクの排気音。
だいぶ慣れた幸谷君の背中にくっつくこの時。
見た目細いのに…
硬くて大きな背中。
やっぱりドキドキしちゃって大変…。
コンビニの駐車場を後に、風を感じる。
暑いし、熱い。
幸谷君の体温が近くて熱い。
しばらく走って単車をとめた幸谷君が単車に跨ったまま、「こっから電車とバスで行くから。」と、振り返った。
また胸がドキンと高鳴った。
だって、振り返った時見えた幸谷君の顔が凄く男の子っぽいのに綺麗だったから。
凄く
凄く
カッコよかったから。
単車から降りてパーカーを脱いだ。
そして、それを軽く畳んでバッグに入れた。
まだ、少し機嫌が悪いままなのか幸谷君は私の少し前を歩く。
黒いタンクトップから見える腕のゴツさにまた胸がドキドキし始めた。
少し痛んだ髪が太陽の光に照らされてキラキラして見えた。
「ほら、切符。」
自分の分の切符を買おうと財布を出した私に、幸谷君は、切符を差しだした。
見たことも聞いたことも無い駅名が示された切符。
それを眺める私の鞄をまた取りあげて、少し強引に繋がれた手に、また、苦しいほど胸が高鳴った。
