私との違いがまた一つ見えた気がした。
幸谷君は、どこまでも私の知らない世界を私より何倍も早く知って、大人になって行く。
私は、いつまで経っても追いつけない。
「そうなんだね。
なんか、凄いよ。
私なんか、ﾊﾞｲﾄもｼたこと無い…。」
落ち込んだ声なんか出したくないのに、勝手に出てしまう。
こんな子供染みた自分が嫌。
『愛子は、それでええんやで？
ってか、お前の母ちゃん、めっちゃ可愛いな。
お前とよう似てるんにﾏｼﾞ、驚いたわ。』
「似てるって良く言われるよ。
でも、あたし、ﾏﾏより目、小さい。」
『（笑）俺、愛ちゃんの目、めっちゃ好きやけどな。
ちょっと垂れ目で、可愛い。』
「笑いながら言われても信憑性ないよ…」
『世界一、可愛いよ。
少なくても俺にとっては。』
顔中から火が出そうなくらい熱い。
幸谷君はたまにこんなとんでもない甘い言葉を吐き出す。
その度に恋愛超初心者の私はなんて答えていいのかわかんなくて、どうしようもない。
