幸福論


パパ、ママ、私の三人の食卓はいつも優しくて私をホッとさせてくれる。

ついさっき感じた切なさが薄らぐ。






「明日から、おばあちゃんも一緒にご飯食べれるね。」






ほんのり赤いポテトサラダを口へと運びながら、パパに話しかける。

ママ特製のポテトサラダはトマト味。

小さい頃から、ウチのポテトサラダはこれ。

私は全然大丈夫なんだけど、お兄ちゃんがマヨネーズが苦手。

だから、料理上手のママが考えたポテトサラダは、このほんのり赤いトマト味。







「そうだね。

賑やかになるな。」






パパの優しい笑顔が好き。








「おばあちゃん、食事制限あるから、しっかりしなきゃね、ママ、頑張ろう。」







小さく胸元でガッツポーズを取るママは、可愛い。

料理上手で優しいママは、私のバイブル。

そんなママを見つめるパパの瞳は凄く優しくて甘い。

いつまでも、恋人同士みたいな二人。







「パパと、ママって、高校生の時に出逢ったんでしょ?

恋って…楽しかった?」






ふと口に着いた言葉。

恋は楽しさより、不安と切なさを倍増させる。

でも、甘い胸の痛みはどんなものより甘美で愛しくて、





もっと、

もっと、





もっとこの恋を深く知りたいと思ってしまう。