次の授業は、正直頭に入らなかった。
どうすればいいのかわからなかった。
その次の授業も、全部、ダメで、どうしようもなかった。
「愛子、今日は天気ええし、屋上でお弁当食べようっか。」
沙穂ちゃんと、裕子ちゃん、莉子ちゃんが私の机の傍へ来てくれた。
「詳しく教えなさい。
幸谷先輩との一部始終を(笑)。」
沙穂ちゃんが腰に手をあてて片眉を上げるから、私は、反対に眉を下げた。
「ほら、行くよ。」
「斎藤なんか気にしなくてええからね。」
「うん、ウチらがおる。」
優しい皆。
四人で屋上へ向かう。
レモンイエローの巾着に入ったお弁当を手に私は、みんなに着いて行った。
15歳の私には、まだ、わからないことばかり。
切なさも
苦しさも
やるせなさも
全部、未知。
無知で未熟な
真っ白な私たちは、これから何色に染まって行くんだろう…。
act1.一目惚れ…悲喜…end