幸福論




そっと、雅斗くんの背中を抱きしめた。





大きな体を包み込むように…





コカコーラって書いた古びた赤いベンチが視界の向こうに見えた。








「ここって、なんの部屋?

コーラのベンチなんてあるのね?」







私の肩から顔を上げた雅斗くんが後ろを振り返った。






「あー。

ここ、軟式野球部の部室やねん。

で、俺らの溜まり場(笑)。」







「雅斗君、野球部なの?」






私の手を引いて、ベンチに導いた雅斗くんが眉を顰めて笑った。






「俺、野球少年やったんやで?」






「そーなの?」





心底驚いた私は、少し大きな声を出してしまった。






「嘘やけど(笑)。」






「もう…」






私を引き寄せてベンチに座った雅斗くんの膝の上に座る格好になった私に、雅斗くんが不意打ちのキス。






「…も、一回シてええ?」






「聞かないでよ…」






「愛、可愛い。」






チュッ…


チュッ…





触れるだけのキスを何度も繰り返す。





長いそんなキスを繰り返す度、私の中を雅斗くんが侵食して、いっぱいになる。





クチュッ…





長いキスの所為で少し開いた私の唇を割って、強引に挿し込まれた雅斗くんの舌。

戸惑う私の口内を這いまわるそれに、私の頭の中は真っ白になる。






大好き…





雅斗くんが…





大好き。