あの告白現場を見てから、私はケンちゃんをペットとして見れなくなってる。


あの日。


安心したはずなのに、私は安心できなかった。


焦るように、ケンちゃんを求めていた。


放課後。


あと少しで、ケンちゃんが来る時間になる。


「ハナちゃんいる??」

聞き慣れない男の人の声。


黒髪に、学校のサッカー部のユニフォームを来ている人。


知らない人は、馴れ馴れしく私を呼んだ。


「何?」


「ちょっと、着いてきてくれない?話があるんだ…。」


もうすぐ、ケンちゃんが来るんだけどな…。


私は考え込んだ。


「どうしても来て欲しいんだ。」


真剣に頼んでくるから、私は言う通りに着いていった。


男の後ろを静かに着いていく。


ケンちゃん、来るんだけど…な…。


着いた先は、階段踊り場。


2号館とは、違って1号館は薄暗かった。