ピンポーン。


昨日と同じ7時45分にインターホンがなった。

ガチャ。


「おはよう!!」


いつも通りのケンちゃん。


だけど、私の中ではすでに違っていた。


「お…おはよう。」


「あれ?いつもの、いいこいいこは、ないの?」

「いるの?」


「うん。」


くしゃっと笑った。

そして、ケンちゃんはしゃがみこんだ。


ふわっ。

「ょ…よしよし。」


昨日と同じなのに、指先がやけに敏感だった。


心臓は、跳ねて早く打った。


「ありがとッ。」


「ん…。行くよ。」


早足で歩いた。


心臓が打つスピードと同じように。


「待って。」


ぎゅっ。


ケンちゃんに手首を握られ、足を止めた。


「今日のハナ、なんか変。どうかした?」