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「失礼します。」


放課後、俺は職員室に来ていた。


窓際の一番奥まで移動すると、俺を見つけた担任が声をかけてくる。


「おー、来たか村元。ちゃんと持ってきたんだろうな。」


「はい、すんません。」


「すんませんじゃないだろ!…まあ、いい。見せてみろ。」


俺は担任に、“進路希望調査"と書かれた紙を手渡す。


「この時期まで出してないのは、お前くらいだぞ…本当に手のかかる生徒を持つと大変だ。」


「お、でもちゃんと書いてきたんだな。」


俺の手渡した紙をマジマジと見て、担任は笑う。


「にしても、これお前…本気か?」


「本気です。」


担任の言葉に、俺は強い口調でそう返す。


散々悩んだ末の、俺の決断。もう俺は、意思を曲げるつもりはない。


「まあ、いい。やっと本気になってくれたんなら。いつもへらへらしてて何も考えてないのかと心配したが、これで安心だな。」


「これから大変だぞ。本気で勉強しろよ。」


俺の肩をポンポンっと叩き、がんばれ。そう言って担任は俺の背中を押す。


…言われなくても頑張るさ。


俺が決めた道なんだから。