誰もいない放課後の教室。


ここで俺は、


あいつを呼び出していた。




―――――――――



「よう。」


ドアを開け教室に入ってきたそいつに、俺はそう声をかけた。




「呼び出して悪かったな。」


「いや、いいよ。部活ももうないしパートも違うから、久々にちゃんとお前と話すな。」


琢斗が俺の前の机にドッと腰掛ける。




「で、何?話って。」


俺の顔を真っ直ぐ見つめ、聞いてくる琢斗。こういうクソ真面目さがこいつだ。


“人と話すときは目を見て話す"


そんなことをいつだかに習った気がするが、それを実行してるとしたら


こいつはどうしようもなくバカで真面目な奴だ。