「え?!だって引っ越すって…」
「その予定だったんだけど、俺大学全部落ちちゃってさ。」
「えぇ?!」
「一年北海道の予備校通って、今度はこっちの大学受験する。」
「亜子と離ればなれは耐えられないし。だから一年だけ待ってよ!」
悪びれた様子もなくそう言うトーヤに、
「バカトーヤ!!もう知らないっ!!」
素直に怒ってしまう。
「もう、バカバカ言われても気にしないもんね〜!亜子の“バカ"には、愛情が含まれてるから☆」
そう言ってトーヤは、さらに強く私を抱きしめる。
トーヤ。
やっぱり私は、あんたの前では素直でいれるみたい。
今度こそ私たちは、自分の力で幸せになれたのかな?