なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?





「夢乃」


肩を叩かれ振り返ると、そこには笑顔の亜子。




「卒業おめでと!ねえ、最後だしこれ書いてよ。」


そう言って私に、卒業アルバムを渡してくる。




「いいよ!私のも書いて!」


私たちはお互いのアルバムを交換し、ペンを走らせた。




「なんか、卒業だけど実感湧かないね。」


「私たち、二人とも地元に進学だしね。」


「これからもよろしくね、亜子。」


「こちらこそ!」




私たちは笑い合う。




永遠の別れじゃない。




ただちょっと、今までより一緒にいられる時間が短くなるだけ。