「持田夢乃!」 5人の中では一番最後に、私の名前が呼ばれる。 「はい。」 私はゆっくりと歩き出す。 ―――――――――― ――――――――――――― 「もうお別れなんだね…」 「えーん!寂しい〜」 「卒業しても仲良くしようね!」 教室では、クラスメートが別れを惜しむかのように集まって傷の舐め合いをしている。 本当に仲の良い友達同士なら、こんな形だけの式が永遠の別れだなんて思わない。 こうして寂しいと嘆くのは、 それだけ自分たちの人間関係が、薄っぺらなものだと分かっているから。