トーヤ。


私にはあんたの気持ちが分かってた。


でも、一番分からなかったのは…




自分の気持ち。




そしてあんたはそんな私を、




待ってはくれないんだね……





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「俺さ………」















「卒業したら、北海道行くよ。」


そんなトーヤの、突然の宣告。




「オヤジが今まで単身赴任で北海道行ってたけど、この機会に家族みんなであっち引っ越すつもり。」




「大学もあっちを受験する。もう、こっちには戻ってこない。」




「みんなとは、3月でお別れ。」


そう淡々と話す。




その時の私の顔は、表情も、気持ちも、何も浮かんでいなかったと思う。




いっぺんに色んなことが変わり過ぎて頭で処理しきれなくなった私は、




それ以降の記憶がなかった。




いつ、教室に戻ったのかも。




どんな顔して、トーヤと別れたのかも。