――――― ―――――――― 「お疲れ様。勝って良かったね!」 「…おぅ。」 相変わらず無愛想にそう返すこの人、 野球部のキャプテンの宮崎琢斗に 今日も私の心がきゅーっとなる。 「これ、タオルと水。」 あくまでマネージャー業をまっとうしようとして、足早に他の部員の元へ向かう。 でも琢斗はそんな私の気持ちを知るよしもないから 「持田!」 私を引き止めて 「これで腕、冷やしとけ。」 そういって、いつのまにかさっきのタオルに水を含ませて私に渡してくれた。